紅顔の美少年
アレは数年前の2月最後の週の休日の朝。
その日は2時間近くかけてたっぷりとセルフヒーリングしたら
体全体が高速振動し始めたみたいにぐうんと波動が上がったような感覚になって。
隣の部屋でPCをいじる夫の気配を感じながらもまだ微睡みのなか、
起床を促す夫の声に…あと10分経ったら起こして~とか
もう5分だけ~とか(休日の朝寝がつまり趣味)
ちゃんと応えつつもまだうつらうつらしていたときのこと。
大の字になって寝ている私の、ぱらあっと左右に開いた両腕の
(もちろん2月の厳冬期なので両腕は分厚い掛け布団の中)
右手の中指の先端が、なんだか痺れてきたな…と感じ始めたと思ったら
途端に痛いほどの痺れが、ぱああっと指先から掌全体までに広がって
その瞬間、あたかもその痺れが物質化したかのように
(ブゥゥーンと振動しながらテレポーテーションするじゃない?映画や漫画で。あんな感じ)
すると、そうっと誰かの手が、私の右手に重なったのです。
最初はふわりと重ねているだけで
そのうち、指が絡んで、
始めは遠慮がちに
ぎゅっ、ぎゅっ、と2回。
次に左手の方にも、同じように。
次第に、両手をしっかり握ってきて。
あ、、、誰かが私の手を握ってる…。
ちゃんと頭では分かってるのに、冷たくもなく、温かくもない
その両手の感触に何ら違和感を覚えることなく、不思議と目を開ける気も起きず
心地良くされるがままでいたところ、やがて私の左頬の辺り…
誰かの顔が、ふわっと頬に触れた感触に…
えっ?
ここで初めて、やっと!
もう~~!!飛び上がるほど驚いて!!!
ガバーーーッと!音をたてんばかりにマッハの速度で起き上がり!!すぐさま夫の元へ!!!
興奮しつつコトを一息に捲くし立てましたが…「ふーん」とまるで信じてないし…。
「絶対に‼ 夢じゃないの!!」「で、男?」「へっ?」
そういえば…と、同じように夫の手を握り何度重ねて確認してみても
やはりあの手は夫の手よりは随分と小さい…では女性??
でもたしか…電光石火のごとく飛び起きてグイッと相手を押しのけたとき
一瞬、胸と脚にも触れたのだけど(相手もさっと退いたのが分かったし)
絶対に胸は平らだったし…脚の位置から判断すると、たぶん私と似たような背丈…
そして私と相似のあの手の大きさ。するとヤツは…
12、3歳の、あらっ?
やっぱり紅顔の美少年♡
アレが何であったのか未だナゾのままだけど
1人じゃなく複数人であることは確かで…。
たぶん、天界の悪戯小僧たち?なーんて。
でも握られた、特に右手の感触はいつまでも生々しく鮮明で
しばらく経っても中々消えることはありませんでした。